2011.2.6 第271号

FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会



麻しんの検査診断について(お願い)
現在、感染症法に基づく麻しん患者のほとんどが「TgM抗体検査」による検査診断に基づいていますが、「TgM抗体検査」は麻しん以外の発疹性ウイルス疾患に罹患している場合でも陽性となることが指摘されており、麻しんの確定診断には、遺伝子検査を含めた精度の高い検査を実施していく必要があるとされています。
今回、厚生労働省を通じ、県医師会及び市保健福祉局から、感染症法に基づく麻しん患者の発生届と併せて、患者の検体提出について依頼がありましたので、麻しんの発生届を市保健所へ提出する際は、患者への検査内容の説明と検体の確保について、下記の通りご協力くださいます様よろしくお願い致します。
尚、会員の先生方へは後日、各区医師会を通じ、協力依頼文と厚生労働省が作成したチラシが送付されますので申し添えます。

1.検査対象者
 麻しんの臨床症状があり、麻しんIgM抗体陽性により麻しんと検査診断した患者

2.検査実施の流れ
1)検体採取:尿・咽頭ぬぐい液
2)検体回収:北九州市保健所保健予防課【電話 522−8711】
3)検査機関:北九州市環境科学研究所
4)実施方法:
@医療機関は、患者に麻しんの臨床症状があり、麻しんIgM抗体検査を実施する場合、尿(10〜20ml)を滅菌スピッツ管等に採取し、−20℃で凍結保存する。また医療機関にウイルス搬送用培地がある場合は、咽頭ぬぐい液を採取し、4℃で保存する。(培地が無い場合は、採取の前に市保健所保健予防課へ連絡)医療機関は、市保健所保健予防課に検体採取の旨を連絡する。
A市保健所保健予防課は、@で採取した検体を医療機関から回収し、環境科学研究所へ持ち込む。
B医療機関は、麻しんTgM抗体検査結果を、市保健所保健予防課へ連絡する。
C環境科学研究所は、遺伝子検査を実施し、検査結果を市保健所保健予防課へ連絡。
D市保健所保健予防課は、検査結果を医療機関に連絡する。


定率補助の継続、働き掛け強化 医師国保連合会が決議
全国医師国保組合連合会(会長=妹尾淑郎・愛知県医師国保組合理事長)は1月28日、日本医師会館で代表者会を開き、医師国保に対する定率補助の維持を求める決議文を採択した。決議文は菅直人首相や閣僚をはじめ、自民党や公明党などにも送付し、国会議員らへの働き掛けを強める。妹尾会長は「文書を送るだけでなく、(国会議員ら)本人に会ってしっかり説明してほしい」と活動の強化を呼び掛けた。
決議文では「時々の所得水準に応じて国庫補助を削減するのは、医療保険の制度的な検討の視点が全くない一方的なもの」とし、「到底容認できるものではない」と主張。定率補助の確保を「強く要望する」とした。さらに「高齢者も含めた今後の医療制度の在り方を検討する中で、給付と負担、財源問題、世代間あるいは保険者間の公平などとともに、国保組合の位置付けについて論議されたい」と一体的な社会保障制度の議論を求めた。


医療ツーリズムに反対7割 都道府県医師会
日本医師会は1月26日、各地の医療ツーリズムの動向について都道府県医師会を対象に調査した結果を公表した。「明確に反対」は28件、「どちらかというと反対」は6件で約7割が反対の意向だった。高杉敬久常任理事は同日の定例会見で「調査結果を政府への提言、ロビー活動に活用したい」とし、日医として引き続き医療ツーリズムに反対の姿勢を示していくとした。
調査は昨年11月から12月にかけて行った。医療ツーリズムの動向について「具体的な動きあり」としたのは22件、「漠然とした動きあり」としたのは8件で、30都道府県で何らかの動きがあることが分かった。「不明・なし」は17件だった。
医療ツーリズムに対しては「混合診療の全面解禁につながる」「国民皆保険制度の崩壊を招く」「地域医療の崩壊を招く」「医療機関格差が助長される」などの意見が多く、日医に政府への働き掛けを求める意見もあった。高杉常任理事は「医療ツーリズムが全国的な広がりを見せていることをあらためて認識した。国民医療を守る姿勢を強めていきたい」と述べた 。