2007.4.21 第207号 |
FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会 |
◆◆◆ 無床診療所への医療安全対策の義務化について ◆◆◆
昨夏の医療法改正により、これまで病院と有床診療所が対象であった医療安全対策がこの4月からは無床診療所にも義務付けられることとなりました。 これに伴い、各医療機関は@医療安全管理指針の策定A従事者への研修B院内での事故報告体制の確立Cヒヤリハット事例の収集分析等を行わなければなりません。 今後、保健所による立入検査等においても「指針が策定されているか?」「従事者への研修が行われているか?」といったことが検査項目になると予想されますので、対応をお願い致します。 尚、事故発生時の対応等を内容とした指針の作成については、日本医師会がホームページにモデル案(ヒナ型)を掲示しておりますので参考とし、自院にあった形に当てはめてご利用ください。 アドレス⇒ http://www.med.or.jp/anzen/index/manual.html 従事者への研修については、年に2回ほどの開催が求められておりますが、無床診療所の場合は医師会が行う医療安全対策研修会への参加など、院外での研修会への参加で代用出来ます。 また、合わせて「院内感染対策体制」「医薬品安全管理体制」「医療機器安全管理体制」が求められており、それぞれ指針や手順書を作成しなければなりませんが、この3項目については、3ヶ月の猶予期間が設けられておりますので、その対応については追ってご連絡を致します。 |
◆◆◆ 介護老人保健施設入所者に係る診療料について ◆◆◆
介護老人保健施設の入所者に対する診療については、施設に常勤医師が配置されていることから、原則として施設の医師が対応することとなりますが、施設では通常行えない専門的な医療行為については対診(保険請求)が認められております。 しかしながら、最近、施設側が専門医に対して診療費の一部を自費で請求するよう求めるなど誤った事例が発生しておりますので、今一度、施設・会員とも「医科点数表の解釈〜介護老人保健施設入所者に係る診療料について」をご確認くださいます様お願い致します。(18年10月版=586ページ〜593ページまで) |
◆◆◆ 苦情相談事例について ◆◆◆
本会に寄せられた苦情や相談の中から他院でも参考となるような事例を紹介させていただくコーナーです。 ※今回の事案⇒「配置転換命令について」(40代・女性) A病院に検査技師として採用され、10数年間にわたり検査業務に従事して来たが、この4月より検査技師人員の余剰と看護助手業務の手薄を理由に看護助手業務への異動を命じられたが、業務内容は看護師の下請け的な雑用ばかりである。 有資格者が一方的に本来業務以外の業務を命じられることは不本意であり、法的に問題はないのか?というもの。 ※解説⇒配置転換や転勤命令に関するトラブルは、一般企業においても多く、裁判にまで発展するケースも少なくありません。その際には経営の状況からあるいはその部門に配置転換を命じなければならない業務上の必要性があったのかどうか?また、そうした措置に合理性は認められるのか?といったこと等々が争点となるため、一概に違法かどうかの判断は出来ないと前置きしたうえで、一般論としての説明を行い、病院とよく相談をするよう話をして、今回の問者には納得をいただきました。 病院での配置転換に関する裁判では、平成11年に最高裁でひとつの判例が示されております。 事案の概要は、医療事務として採用されたものが、その後、看護補助に配置転換を命じられたのは採用条件に反するとして無効を訴えたところ、正当な理由なくこれを拒否したとして、使用者より懲戒解雇されたというものです。 判決では業務系統を異にする職種への配置転換(事務職系から労務職系)であること、また、業務上の特段の必要性及び当該従事者を異動させるべき特段の合理性があり、かつこれらの点についての充分な説明がなされた場合か、あるいは本人が特に同意した場合を除き、一方的に異動を命ずることはできないものと解するのが相当とされました。 その他、配置転換命令トラブルの場合、採用条件に職種の限定があったかどうかということも大きなポイントとなりますが、問者のように有資格者の場合には、職種の限定があるとみるのが一般的な考え方のようです。 逆に、採用時などに職種の限定を行わなく、また就業規則や労働協約に配置転換命令の根拠があり、労働慣行によって配置転換命令に応ずる義務が明確になっている場合には労働者は従わなければなりません。 ご参考ください。 |
◆◆◆ 広告規制の緩和について ◆◆◆
医療機関の行う広告については、従来広告可能な個別事項を提示し、それ以外は不可とするいわゆる“ポジティブリスト方式”でしたが、4月以降は医療法の改正により、「施設・設備に関する事項」など、厚労省が定めた一定の性質を持った項目群ごとにまとめて規定する“包括規定方式”に改められ、広告可能な情報範囲が拡大致しました。 ただし、正確性や客観性が担保されていることが条件となります。 厚労省では、近く医療広告に関する適否の判断を具体的に記したQ&Aを出すこととなっておりますが、その基となる「医療広告ガイドライン」は同省のホームページに掲載されておりますので、ご参考ください。 アドレス⇒ http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/kokokukisei/index.html |
◆◆◆ 医師の資格確認検索について ◆◆◆
昨年の通常国会において、患者(国民)が医師の資格確認を行えることを目的として医師の氏名等を公表する旨の医師法が改正されました。 これにより、本年4月1日より、厚生労働省のホームページ上に、医師の資格確認のための検索システムが開設されましたのでお知らせ致します。 アクセスは「厚生労働省ホームページ」⇒「医療」⇒「医師等資格確認検索」から。 また、直接アドレスを入力する場合は http://licenseif.mhlw.go.jp/search/ です。 |