2007.2.21 第204号 |
FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会 |
◆◆◆ 北九州ブロック医師会生涯教育講座の開催について ◆◆◆
人間は何歳まで生きられるのでしょうか。いくら長生きをしても、いずれ死ぬことだけは確実です。その「死に方」をどのように選ぶか。その一つのあり方に尊厳死があります。尊厳死は、人間としての尊厳を保って死に臨むことです。医療の発達により延命技術が進歩したため、死を迎える段階でただ「生かされている」だけの状態となってしまうことがあります。たとえ治る見込みがない患者であっても、あるいは痛そうに苦しんでいても、家族は少しでも長く生きてほしいと考えます。末期患者に対しどの時点で延命治療を打ち切ったらよいのか、こうした問題は患者を抱えた家族ばかりでなく、それに直接携わる医師にとっても大きな問題になりつつあります。 日本医師会のアンケートでは、条件付きを含めて解答した医師の約76%が「尊厳死として死を選ぶ患者の権利を認める」と答えています。宗教的な問題もありますが、死がタブーではなく自分で「死に方」を選べる時代にさしかかってきたのではないでしょうか。 今回、北九州ブロック医師会生涯教育講座では、日本尊厳死協会の副理事長でもあります大田満夫先生を講師にお招きし、終末期における延命治療のあり方、植物状態患者への対応などについてご講演をいただくこととなりました。医師をはじめ看護師、医療従事者等々の方々にも是非ご参加いただきます様ご案内申し上げます。 尚、本講座は日医生涯教育講座5単位が認定されております。 *日時:平成19年3月16日(金)19時〜20時30分 *場所:小倉医師会館5階 小倉北区中島1丁目19−17 пF551−3181 *内容:演題「尊厳死〜延命措置中止の条件〜」 講師 国立病院機構九州がんセンター 名誉院長 日本尊厳死協会 副理事長・九州支部長 大田 満夫 先生 座長 後藤クリニック 院長 後藤 誠一 先生 *主催:福岡県医師会・北九州ブロック医師会 |
◆◆◆ 平成18年度勤務医部会医学集談会の開催について ◆◆◆
勤務医のみならず、開業医はもちろんのこと、医師会未加入医師の参加も可能ですので、お誘い合わせの上、多数ご参加くださいます様ご案内申し上げます。 尚、終了後には講師を囲んでの懇親会を予定しております。(講演参加・懇親会ともに無料) *日時:平成19年2月27日(火)午後7時 *会場:東京第一ホテル小倉 3階 ダイヤモンドホール 小倉北区馬借1丁目2−1 пF511−4111 *内容 1)頸動脈狭窄症におけるcarotid plaque imagingの確立に関する研究 小倉記念病院 脳神経外科 中原一郎 先生 2)慢性心不全に合併する睡眠時呼吸障害の診断と治療 九州厚生年金病院 循環器科 毛利正博 先生 3)進行腎癌の新たな治療法の開発 〜腎癌に対するビスフォスフォネートの抗腫瘍効果の検討〜 産業医科大学 泌尿器科 藤本直浩 先生 |
◆◆◆ 再診料について ◆◆◆
1月23日(火)の讀賣新聞夕刊『医療の¥値段』のコーナーに、「検査を受け、後日その結果だけを聞きに行った際、医師の診察がなければ再診料はかからないのが保険診療の大原則だ」とした記事が掲載されたことから、本会にも同様に検査を聞きに行っただけで再診料を取られたという苦情や算定にあたっての詳しい要件等々についての照会があっております。 本掲載記事は解説内容が読者(患者)には分かりにくく、誤解を招く恐れがあるため、記事を読んだ医師より「検査結果の説明には診察を伴うことが一般的で、再診料もかかることに言及すべきではないか」とした投稿が寄せられ、同紙では2月6日(火)の同コーナーに、より詳細な解説記事を掲載致しました。 そこには、結果のみを聞きに行った場合でも、その結果を基に診察が行われれば、言うまでもなく再診料がかかるということやどのようなことが行われれば診察になるのか?ということについて、東京都社会保険事務局が「検査結果を伝える際には、検査結果の解釈や治療方針の決定などの医療行為が行われるのが普通と思われ、その場合には診察料を伴う」とした回答を示していることが新たに掲載されました。 従って、受付等で検査結果のリポートのみを渡すような行為だけならば、診察を行ったことにはなりませんが、医師が具体的な説明を行ったり、質疑応答などがあれば、実質的な診察行為があったと解されます。 今後、聴打診や視触診がなかったので、診察がなかったという患者や讀賣新聞の最初の記事だけしか見ていなかった患者から苦情や照会があった際には、窓口等での回答の参考としてください。 |
◆◆◆ 苦情相談事例について ◆◆◆
本会に寄せられた苦情や相談の中から他院でも参考となるような事例を紹介させていただくコーナーです。 ※今回の事案⇒「退職させてもらえない」(20代・女性) A院(無床診療所)に2年間パートとして勤務する看護師だが、院長に退職の申し出を行ったところ、後任が見つかるまで、辞めてもらっては困ると言われ、2ヶ月経ったが未だに辞めさせてもらえない。法的に辞めることは出来ないのか?というもの。 ※解説⇒民法上、労働者には原則として退職の自由が認められており、就業規則に特段の規定がない場合や契約期間を定めている場合は別として、退職の意思表示をしてから2週間が経過した時点で退職が成立することになるということを告げたうえで、医療は社会性や公共性を伴った職業であり、提供体制を欠くことで患者さんに影響が出ること、この2ヶ月間、院長自身もハローワークや新聞、雑誌に求人広告を掲載するなどの努力を行っているということなので、都合がつくならば、もう少し頑張ってみてはどうかと説明をし、理解を示していただいた。 現在、厚労省は日本医師会の強い申し出により、7対1看護を見直すための実態調査を行うことを決定したところですが、当面は7対1看護の影響から中小病院や開業医を中心として看護師不足が続き、今後もこうした問題は起こるものと思います。特に他院から引き抜かれ、次の就職先が決まっているようなケースでは、突然退職の申し出を告げられることも充分に考えられます。 こうしたトラブルを防ぐため、自院の患者受療動向や経営状況、従事者の資質等々を勘案しながら、特にパートの看護師について必要があれば契約期間を定めるなどの対応もご検討ください。 |