2005.12.6 第184号 |
FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会 |
◆◆◆ 保険委員会だより ◆◆◆
診療報酬請求において、会員より査定に対する質問が委員会に寄せられています。わかる範囲内を委員会で検討してお知らせ致しますが、委員会は審査会ではありませんので、ご参考としてお目通し下さい。 ・経皮的動脈血酸素飽和度測定については、適応を十分ご確認のうえ、1ヶ月に14日を限度として実施願います。 ・甲状腺機能低下症のフォローアップを行う場合、FT4、TSHの2種を測定すれば充分かと思われます。FT3、FT4、TSHの3種併施は不要かと思われます。 |
◆◆◆ 国民皆保険制度を守る国民運動・署名活動へのご協力について(お願い) ◆◆◆
政府与党は30日(水)、患者負担を2段階で引き上げるとともに、70歳以上の長期入院患者の食費・居住費を保険外とし、75歳以上の全ての高齢者が入る新保険制度を創設するとした当面の医療費抑制策としての医療改革大綱を決定いたしました。今、焦点は平成18年度の診療報酬引き下げ幅に絞られています。 医療費の抑制は医療の質を損ない、「国民皆保険制度」という日本の優れた医療制度を崩壊に導くものです。 日本医師会は、この「国民皆保険制度」を守るため「患者負担増」を強いる医療制度改革に反対する国民運動を展開しており、会員の皆様には署名活動に多大なご協力を頂いているところであります。 署名運動の回収及び報告方法は、A会員は12月12日(月)迄に各区医師会宛FAXにて署名数を報告の上、署名簿を同じく各区医師会宛にご提出願います。 B会員はFAXでの報告は必要ありませんので、直接各区医師会宛にご提出願います。 11月30日(水)現在の中間集計では、目標のA会員一人あたり300名のところ、87名にとどまっております。残された期間は僅かとなっておりますので、今回の署名運動に一人でも多くの方にご協力頂き、現在の国民皆保険制度を堅持し、改悪に反対頂きます様、御協力をお願い致します。 |
◆◆◆ 次期診療報酬改定について ◆◆◆
次期診療報酬改定をめぐっては、自民・公明両党が早々に診療報酬の引き下げ方向に容認の姿勢を示すなど、過去に例を見ない勢いでマイナス改定の包囲網が敷かれた。 焦点の改定率は谷垣財務相が自然増の圧縮幅を当初の2,200億から5,000億程度に積み増す考えを主張しており、診療報酬については医療費ベースで5%以上の引き下げを求めている。これに対し川崎厚労相は会見で、「5,000億という話は聞いていない。向こうが勝手に言っている」と一蹴。厚労省としては概算要求基準の2,200億が1つの目安として、財務省を牽制してみせた。ただ、政府内には2,200億規模の引き下げにとどまらないとの見方が広がっており、今後厚労省と財務省のせめぎ合いも激しさを増す見通しだ。 政府は予算編成作業に際し、2006年10月実施を予定する現役世代並み所得の高齢者の自己負担3割への引き上げの国庫負担への影響を、900億程度と見込んでいる。ただ、高齢者医療をめぐる市町村への財政支援として550億を追加するため、制度改正に伴う国庫負担への影響は350億円程度と小幅にとどまる見通しだ。 同時に、2006年4月の介護報酬の改定も、食住費の見直しは10月に先行実施しており、残るケアマネジャーの見直しでは、国庫負担への影響も小さいとみられる。このため財務省は、「診療報酬を大幅に引き下げるしかない」と譲れない。 仮に概算要求基準で定めた2,200億円の自然増圧縮をベースにした場合、制度改正分350億を差し引いた1,850億をすべて診療報酬改定で対応すると、約2.5%(医療費の国庫負担1%を750億で換算)の引き下げが求められる。この内訳は、薬価・材料で約1.3%、本体で1.1%の引き下げとなる。 ただし、財務省側は5,000億案の主張を取り下げる動きはないが、現実的な水準として3,000〜4,000億の圧縮幅を確保したいとの思惑だ。仮に3,000億規模であれば診療報酬は4%の引き下げとなる。内訳は、薬価・材料で約1.3%、本体2.7%となる。 小泉内閣の政治ベクトルの変化により、官邸や財務省の力が増しているのは事実。 改定率をめぐる水面下の調整は、すでに始まっており、20日の財務省原案の内示に向けて激しい議論が展開される。 【株式会社じほう「Japan Medicine」12月5日号より】 |
◆◆◆ 次期介護報酬改定について ◆◆◆
次期介護報酬を検討している厚労省介護給付費分科会は、今週から中重度要介護者に対するサービスへの重点配分と在宅復帰支援機能の強化を柱とした本格的な取りまとめ作業に入る。 入所者の医療ニーズを満たせる体制を整えた個室ユニット型介護老人福祉施設(特養)や認知症高齢者グループホームを評価する案では、訪問看護ステーションや医療機関と契約をして看護師を確保し、看取りの指針を策定するなどしてターミナルケアを行う施設を評価するとともに、難病やがん末期の在宅、中重度者を受け入れる通所介護の評価も創設される見通し。 焦点となっているケアマネジャーの報酬については、要介護度別に報酬を設定する案が有力で、全体的に評価の底上げが期待される一方、通所系サービスは利益率が高いとされていることから、引き下げになる可能性が強い。 また、集中的なリハビリを評価するため、通所リハの個別リハ加算は、医療機関や老健施設などからの退院、退所直後の効果が高いとされる期間の評価を高くし、一定期間後に逓減する仕組みを取り入れる。 介護老人保健施設は在宅復帰支援機能を強化するため、利用者が自宅で一定期間、在宅サービスを利用して、在宅復帰を準備する試行的退所を制度化する。 ひと月あたりの利用日数を定めて介護報酬単位を設定、居宅サービス事業者と契約して利用者に在宅サービスを提供する仕組みを検討する。 |