2005.10.21 第182号

FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会



◆◆◆ 調剤薬局に対する指導について ◆◆◆

最近、調剤薬局に対して保険指導が行われる際、特に以下のような点が指摘されておりますので、医療機関においてもご留意いただきますようお願い致します。
(*参考:薬剤師法第24条=薬剤師は処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない)
1)不備がある処方せん(用法用量の指示記載が不充分なもの)を受け付けている。
 パルミコート・メプチンエアー・ラキソベロン・イソジンガーグル・インタール吸入液・フルメトロン・モーラス・リンデロンVG軟膏・ボルタレンゲル・他
2)薬学的に問題が疑われるにも関わらず、処方医への疑義照会が行われていない。
@薬事法による承認内容と異なる用法用量で処方されているもの
ナウゼリン・テオドール・エパデール・リポバス・リピトール・レニベース・アマリール・キネダック・ジルテック・ベイスン・ガスター・バップフォー・タケプロン・パルミコート・クラビット・テグレトール・ザジテン・他
A薬事法による承認内容と異なる適応症への使用が疑われるもの
イノリン・ゾビラックス眼軟膏・D−ソルビトール・コルヒチン・クラリス・ビオフェルミンR・ラックビーR・レリフェン・レニベン・乳酸カルシウム・他
B過量投与されているもの
高齢者に対するハルシオン・ノルバスク・他
C重複投薬や不必要と思われる多剤併用が認められるもの
レンドルミンとマイスリー・アローゼンとチネラック・カロナールとレンデルーン・アモバンとロヒプノールとレンドルミン・オメプラールとランサップ・他
D禁忌例への使用が薬剤の処方内容から疑われるもの
・消化性潰瘍患者へのロキソニン・ボルタレン・ポンタール・バイアスピリン・ワーファリン・他
・前立腺肥大患者へのルジオミール・カフコデN・ゼスラン・ポララミン・トランコロン・他
・うっ血性心不全患者へのプレタール・テノーミン・リスモダン・ワソラン・メインテート・サンリズム・ヘルベッサー・他
・虚血性心疾患患者へのエシドライ・カドラール
・緑内障患者へのメイラックス
・透析患者へのアルサルミン
・腎障害患者へのユリノーム
・肝障害患者へのウロリープ・小柴胡湯
・アスピリン喘息患者へのモーラス
E併用禁忌があるもの
アスベリンシロップとアクディムシロップ
F投与期間の上限を超えて投薬されているもの
ハルシオン・ワイパックス・レンドルミン・グッドミン・ユーロジン・ロヒプノール・マイスリー・他
G漫然と長期にわたり処方されているもの
サアミオン・セロクラールの12週を超える投与
ゾビラックスの5日間を超える投与(単純疱疹・水痘)
ガスモチン(通常2週間)・メチコバール(月余にわたって漫然と使用しない)・他
H投与日数が重複していると疑われるもの
28日分処方を行った後に、14日後に前回と同じ内容の処方せんを発行している




◆◆◆ 回数制限を超える医療行為への混合診療について ◆◆◆

10月1日(土)より、多くの医療関係者の反対にも関わらず、腫瘍マーカー(AFP、CEA)や理学療法(個別療法)など7項目がいわゆる「制限回数を超える医療行為への混合診療」として認められることとなりました。
厚労省は導入の理由を「医療上の必要性がほとんどないものの、患者の不安を軽減する必要があり、また患者の治療に対する意欲を高める必要から」と説明しておりますが、この解釈には医療上の必要性のないものを患者に負担をさせるという大いなる矛盾があり、現在議論されている保険免責制度の導入や公的医療の縮小に繋げたいという意図が明白であります。
医師会では引き続き医療上必要なものについては制限回数を設けないというスタンスで診療報酬を適用させるよう働きかけていくとともに、会員各位におかれましては混合診療の実施に充分ご留意をいただくようお願い致します。




◆◆◆ 第24回日本医学哲学・倫理学会大会(ご案内) ◆◆◆

※会期:平成17年10月29日(土)・30日(日)
※会場:産業医科大学ラマツィーニ講堂
※会費:3,500円(当日4,000円)、学生1,000円
※内容:
   *大会テーマシンポジウム「相即の医療をめざして−西田哲学が生きる医療」
   *特別講演「21世紀の健康医学−その現在と展望」 大久保利晃(財)放射線影響研究所理事長
   *メインシンポジウム「人格とは何か−パーソナリティ障害の時代を考える」他
詳しくはホームページをご覧ください。http://pe-med.umin.ac.jp/24th_meeting.html
その他、問い合わせは「産業医科大学医学部医学概論教室」(電話691−7224)まで