2005.9.6 第180号 |
FAX北九医ニュース 北九州市医師会広報委員会 |
◆◆◆ 保険委員会だより ◆◆◆
診療報酬請求において、会員より査定に対する質問が委員会に寄せられています。わかる範囲内を委員会で検討してお知らせ致しますが、委員会は審査会ではありませんのでご参考としてお目通し下さい。
・アリセプト錠の適応症は「アルツハイマー型痴呆治療剤」となっております。適応症を再度確認下さい。
・数ヶ月にわたり、疑い病名で腹部超音波、CT、UCG等が実施されている例があります。疑い病名は適宜整理願います。 |
◆◆◆ 確認ミスが増加 ◆◆◆
8月29日(月)、支払基金の発表によると、平成16年度の資格関係ミスが611万件(対前年度14万件の増)にのぼることが分かった。 その理由別内訳を見ると、「資格喪失後の受診」と「記号・番号の誤り」がそれぞれ前年度に比べて10万件、13万件と減少しているのに対し、「本人・家族の誤り」が38万件の急増となっている。 支払基金では、「本人・家族の誤り」が急増している原因として、被保険者本人と家族の負担割合が同率になったことや保険証のカード化により文字が小さくなり、見づらくなったために確認ミスの多発を招いたと分析しており、誤りの多い医療機関へは直接ミスの防止を働きかける他、関係機関に対しても広報誌を通じて啓発してもらいたいとしている。 |
◆◆◆ 減額査定をめぐる訴訟で相次ぎ敗訴 ◆◆◆
今般、佐賀県と群馬県の医療機関が審査の妥当性をめぐって支払基金を相手に訴訟を起こしていた裁判について、それぞれ原告側が敗訴する判決が下った。 佐賀県の事案は平成13年10月、薬剤の添付文章にない傷病名に対し、効果があると独自に判断をして、この薬剤の処方せんを交付して診療報酬を請求したところ、支払基金が減額の決定を覆さなかったため、提訴を行っていた。 7月26日(火)、佐賀地裁は「法令に適合した療養の給付を行ったことにはならない」などとして、原告の訴えを退けた。 また、群馬県の事案は、コンタクトレンズの処方を求める患者全員に対し、初診時に精密眼圧測定検査を実施して診療報酬の請求を行った医療機関が、支払基金より「20歳以下の近視患者に検査は診療上必要ない」と減額査定されたことを不服とし、提訴を行っていた。 訴訟は控訴審に発展していたが、8月25日(木)、東京高裁は「医学的に有益であれば何でも行って良いというわけではない」などとして、原告の控訴を棄却した。 |
◆◆◆ 苦情相談事案について ◆◆◆
本会に寄せられた苦情の中から、他院でも参考となるような事例を紹介させていただくコーナーです。 ※今回の事案⇒医療費の支払い義務について(50代・女性) ※内容⇒「足のケガでA医院を1ヶ月間受診したが、なかなか治らず、また先生が患者の意見を全く聞こうとしないので、医療機関を自主的に変えた。A医院は治療義務を果さなかったのだから、治療費を払う必要はないのではないか?」というもの。 ※解説⇒いわゆる医療契約というのは、患者が診察の申し込みをし、医師が診療を開始したときに成立する。これにより医師には患者のために最善の治療を行う義務が生じ、患者にはその治療行為に対し、医療費の支払いを行う義務が発生する。 東京地裁の判例では「医療契約は法的に準委任契約と考えるのが妥当であり、病気の診察・治療を行うことであって、治癒させることまでは含まれていない。従って、(患者が思うように回復しなかったことは残念だが、)良くならないからと言って、医療費の支払い義務が免除されるというものではない」とされており、このことを説明し理解をいただいた。 ただし、医療行為とは認められないような行為を行った場合や明らかな医療ミスにより損害賠償が必要になった際には、医療費と相殺を行ったりすることもある。 あと、最近の医事紛争では技術的なミスはなくとも、説明責任を果たしていないということがしばしば問題にされている。今回のケースも患者の言い分からだけだと、医師と患者のコミュニケーション不足が感じられるので、治療方針や治療計画を事前に充分説明しておくことは、患者の不安を取り除く上でも重要なので、心がけていただきたい。 |
◆◆◆ 「第2回地域医療・介護保険サービス従事者研修会」の開催について ◆◆◆
今般、当会では、在宅・施設を問わずよく見られる高齢者の皮膚疾患や、褥創の最新の治療法等に関する「第2回地域医療・介護保険サービス従事者研修会」を企画致しました。 7月26日(火)に厚生労働省より「容態が安定している患者さんであれば、医師らの処方・服薬指導の下での皮膚への軟膏塗布や湿布の調布は医療行為には該当しない」という解釈が出され、今後、かかりつけ医の皮膚疾患への指示が求められるとともに、疾患対応が医療職のみならず、介護職にまで広がる模様です。医師・看護師・介護サービス従事者等多数ご出席下さいます様ご案内申し上げます。 尚、資料作成等事前準備のため、参加希望者は9月12日(月)迄にFAX(513−3816)にて参加人数を事前にお申し込み下さいます様お願い致します。 ※日 時:平成17年9月17日(土)14時〜16時 ※場 所:北九州国際会議場 メインホール 北九州市小倉北区浅野3−9−30 電話541−5931 ※講演内容:○演題1「北九州市医師会介護保険かかりつけ医について」 演者:北九州市医師会 理事 白石 公彦 ○演題2「高齢者によく見られる皮膚疾患とその治療」(仮題) 演者:九州労災病院 皮膚科 村田 宏爾 先生 座長:八幡医師会訪問看護ステーション管理者 白井 由里子 氏 |